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『ギャンブル・ウィッチ・キングダム2』感想

 GA文庫、菱川さかくさんの『ギャンブル・ウィッチ・キングダム2』の感想です。ネタバレはありませんのでご購入の参考にどうぞ(前巻『ギャンブル・ウィッチ・キングダム』のネタバレが含まれます)。

星に手を伸ばす

 前回の事件から一ヶ月。いまだに無星のウィルとリゼットは、管理協会のアリシアから聞かされた『裏カジノ』を取り仕切る『指揮者(マエストロ)』に接触しようと行動を開始。

 主目的は勿論、協会の関与しない非公式戦にて手っ取り早く星を稼ぐことですが、ウィルはスタッドから「『指揮者』と黒い女にはつながりがあるかもしれない」と聞かされ、リゼットはかつて付き人だった女性・ユーリを見かけたことが決意の要因でもあります。

 リゼットの両親が死ぬ原因となった賭博戦、それがざっくばらんに言ってしまえばその付き人の裏切りによるものなのですが、そのユーリに、自分のような人間でも上にいけると証明するために戦い、勝つ。

 そんなわけで、今回は、まあ勿論主軸としては変わらずウィルが主人公ではありますが、リゼットが中心の話となっています。テーマとしては『窮地の中で人はどこまで人を信用できるのか』といったところでしょうか。実際、リゼットがメインだからか『信じる』ということがキーにもなっています。

 勿論一巻のようにウィルの、自身の不運を補う策略も描かれ、個人的には一巻よりも読み応えがありました。というか、一巻の主軸は連続殺人事件の解決でしたし、賭博戦の様子はそれほど濃く描かれていたわけではなかったので少々比較のしようもないのはないですが。

 打って変わって二巻では、ほぼ半分近くの項で『指揮者』ザルガス・イブリート、そして彼の付き人となっていたユーリとの対決を描いています。これがまたなかなか先を読ませない。一巻の最後の賭博戦と比べて、だいぶ冷や冷やさせられます。

いよいよか、それとも

 さてさて総評ですが。一巻のときに書いた不足感が拭われていて、さあ物語が盛り上がってきたぞといったところ。

 次巻が出るとしたら、そろそろスタッドが本格的に動き出しそうな気がなんとなくします。黒い魔女・ラクリシアの祝福を受けてはいますが、果たして完全に敵なのか否か、その飄々としたキャラクターどおりに読めない点が多い。いや、本当にあくまでなんとなくですので、こちらの予想しないところに着陸する可能性もありますが。

2017年3月30日:筒狸

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