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『フィクション・ブレイカーズ2』感想

 GA文庫、西島ふみかるさんの『フィクション・ブレイカーズ2』の感想です。ネタバレはありませんのでご購入の参考にどうぞ。

やはり性急

 ピュアホワイト症例の潜入治療に追われる響と世利だったが、そんな中、政治に絡んだ問題に巻き込まれる。誘拐された都議。逮捕された誘拐犯が感染症を発症したため、監禁場所を特定するために潜ることになった二人だが……

 感想らしい感想は実のところ一巻と大して変わりません。やはり章を小分けにしすぎていることによる展開の性急さが気になる。それと、これは前回言わなかった点ではありますが、地の文に若干の読みづらさがある。一例を挙げると……

響は先ほどの状況を思い浮かべ――あ、そうか!――そのことに気づく。(症例一 気づいているのよ冒頭より)

 といった具合に、地の文の合間合間に登場人物の言葉や思考、オノマトペなどが含まれます。これが結構な頻度、それも連続して出てくるものだから、私としては話に入りづらい。その文体が味といえば味なのですが、果たして表現方法としてはどうなのだろうかと。あくまで個人的には、ですが。

よくなった点もある

 章の小分けについては、まあこちらも結局個人の意見ではありますが、やはりもう少し症例を絞ったほうがいいのではと思います。今作では、ゾンビもの、魔法少女もの、そしてデスゲームと三つの症例が物語として展開されていますが、前二つはどうにも無理に一章に収めようとした感が否めない。一方のデスゲームの症例ですが、これは二章構成となっており、一巻を含めても一番読み応えがありました。

 さて、おそらく物語が大きく動き出すのは次巻からとなるでしょう。一巻で軽く触れられた、『ピュアホワイトは人が発症させている』という推測から、二巻での事件の顛末に至り、その後どう推移していくのか。

2016年12月22日:筒狸

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