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『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2』感想

 富士見ファンタジア文庫、田辺屋敷さんの『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2』の感想です。ネタバレはありませんのでご購入の参考にどうぞ(前巻『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ』のネタバレが含まれます)。

二巻が出るとは

 郵便ポストにまつわる一件を解決し、ハルカと初めての再会、本当の出会いを果たしたマサキ。少し奇妙ではありながら平穏な日常を取り戻したのもつかの間、今度は祠の中で見つけた古い携帯が謎のメールを受信するようになり……というわけで、二巻が出るとは思っていなかったシリーズ個人的第一位を、『いつかの空、君との魔法』をぶっちぎって奪い取りました。

 なお他のランクインは、『狂気の沙汰もアイ次第』、『86 -エイティシックス-』、『オリンポスの郵便ポスト』となっております。『86 -エイティシックス-』については感想書いていませんが。

総評的には

 さて二巻はどうだったかというと、実のところおおむね一巻同様でした。どうにも印象に残りづらい。ただ、一巻のときと比べるとその理由は割りとはっきりしています。

 端的に言ってしまえば、調理が必要な素材の多さ。そしてめまぐるしい視点移動。要するに『トリア・ルーセントが人間になるまで』と同様の状態だということ。今回は先述のとおり、古い携帯から届くメールが鍵となっているのですが、それにかかわるのが、

  • マサキとハルカの関係
  • 幼馴染であるユミのトラウマ
  • 今巻から登場したリカのこと

 と、箇条書きだとそれほどでもないように見えて、それぞれそれなりにがっつりあるわけでして。はっきり言ってしまうとどれを主眼において見ればいいのか分からない。

 確かにどれもそうそう切り離して書けるものでもないかもしれませんが(特にユミとリカは)、それぞれのテーマをそれぞれギミックを用意して書いてほしかったというのが正直なところ。最終的に駆け足になってしまっていた感じもありますし。

 最後の話の流れ的には三巻もあるでしょうし、それをもって全体の総評となりそうな気配がありますが、とりあえず今のところは少々お勧めしづらいかな。

2017年5月25日:筒狸

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