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『巫女華伝 恋し君と永遠の契り』感想

 角川ビーンズ文庫、岐川新さんの『巫女華伝 恋し君と永遠の契り』の感想です。ネタバレはありませんのでご購入の参考にどうぞ(前巻『巫女華伝 恋の舞とまほろばの君』のネタバレが含まれます)。

一難去って

 前巻で、従者である珊瑚の裏切りにより暗殺されかけた紫苑。しかし逆に珊瑚を捕らえ大和の大王から新たに命を受け、出水国に戻った彼でしたが……

 主軸となるのはやはり瑠璃と紫苑の恋模様。紫苑の人柄に触れて彼に惹かれ始めている瑠璃……というか、もうなんというか好きだろお前という瑠璃の態度は、読んでいるこちらが『もうさっさと素直になれ!』とヤキモキさせられます。

 しかし瑠璃にはどうしても無視できぬ問題が。そう、掟で決められた婚約者・翡翠の存在です。出水国の男衆の会合で二人の結婚の話が上がる中、翡翠、紫苑、ともに瑠璃への想いの強さは同じ。

 埒が明かないと翡翠が提案したのは紫苑との勝負。この結果を持って瑠璃の結婚相手を決めることとなり、瑠璃は紫苑の心配を……いややっぱり好き過ぎるでしょ。

瑠璃の思い

 そのさなか、何者かによって秘密裏にさらわれる瑠璃。そんなこととは露知らず、二人の勝負は幕を開けます。

 果たして、瑠璃をさらった者の真意は。そして、瑠璃が助けてもらいたいと願った相手とは。そして何よりも、紫苑と翡翠の勝負の行方は。

 それらの要素でも非常に盛り上がり、ハラハラさせられますが、何よりも瑠璃の精神的な強さに惹きつけられます。一目惚れとはいうものの、紫苑もそういう瑠璃の面をどこかで垣間見たからこそ、突然の求婚に乗り出したのかもしれませんね。

2017年11月25日:如月架音

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