無銘図書館

『終わりのセラフ 一瀬グレン、19歳の世界再誕1』感想

 講談社ラノベ文庫、鏡貴也さんの『終わりのセラフ 一瀬グレン、19際の世界再誕1』の感想です。若干のネタバレが含まれますのでご注意ください。

終わりのセラフとは

 説明する必要もないかと思いますが、『終わりのセラフ』はジャンプSQにて本編連載中の漫画作品。世界が滅亡した後に繰り広げられている吸血鬼と人間の戦いを描いた、言ってしまえばポストアポカリプス的な作品となっています。

 また、本編と本作の更に以前の時間軸で展開される『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』もあり、そちらを既読であることを前提とした作品であることをご了承ください。

その名の通り

 本編において、飄々としていてマイペース、しかし実は『鬼』になりかけた生成りであり、鬼としての人格の際には吸血鬼の都市サングィネムのナンバー2・フェリド・バートリーと手を組んで終わりのセラフの実験を進めているグレン。その彼の物語が小説版です。

 特にこちらの『19歳の世界再誕』ではグレンの決意が強く描かれており、本編でも触れられている、グレンにとっての家族という存在の大切さがよりはっきりと記されています。

 また、本編にも通じるところでは、本来敵同士であるはずのフェリドとの関係性が、彼の意志をより強く描き出していると感じました。

 果たして、グレンがその後どう辿り、如何にして辿り着いたのか。ファンならば必読の一冊といえるでしょう。

一瀬グレンが背負ったもの

 これより先ネタバレが多分に含まれます。未読の方はご注意ください。

グレンが選んだ道は、失った家族を生き返らせる禁忌の道。その代償はあまりに大きく、世界は鬼と子供以外は生きられないものと化してしまいました。

 言ってしまえば、グレンは本編における黒幕の一端というわけです。

 結果として世界を滅ぼしてしまったグレン。その事実を知ったグレンは一人泣き叫び、しかもそれを背負わなければならない事実。それでも助けたかった家族のため数々の嘘を吐き通す姿は、痛々しくもあります。

柊暮人、そして……

 帝ノ鬼である柊暮人。敵意を抱いていた帝ノ鬼が行う実験に協力するグレン。そんな中、暮人からの問いかけに答えるうちに、彼の前にある人物が現れます。

 その人物は、柊真昼。すでに死んだはずのグレンの恋人であり、かつて暮人と並び帝ノ鬼の次期当主候補とされた少女。

 彼女は死んだのではなかったのか。何故グレンの前に現れたのか……次巻が待たれます。

旧館記事

エントランスに戻る

Return to Entrance